エンターテイメント小説を書いていらっしゃる方が新人賞に応募をするなら、『すばる文学賞』を選択されるのはいかがでしょうか。『すばる文学賞』は集英社の主催であり『すばる』という雑誌に掲載されます。

応募できる原稿は未発表のものに限られます。既に同人誌などに発表している作品や、『すばる文学賞』の発表よりも前に発表となる予定の賞に応募をしている場合には対象外となります。賞に関しては、正賞が記念品であり、副賞が100万円となっていて高額であることも大きな特徴と言えるでしょう。

規定枚数は400字詰め原稿用紙換算で100枚程度から300枚となっているのですが、“程度”としたのは受賞してから一冊にまとまる枚数であることが望ましいと考えられます。小説として商業出版していない方が受賞しているものであり、受賞作品は出版となる傾向もあってか、第38回には1413篇もの応募がありました。

『すばる文学賞』は、新人文学賞の中でもエンターテイメント性の強い賞となっている点が特徴です。もっと言うなら、エンターテイメントにより近い文学作品が評価される傾向にあります。

そうしたことから、それだけ設定に斬新さが求められることや物語を読み手にきちんと伝える力などが文学性に加えて求められることになるでしょう。こちらの賞では、混沌としていて複雑になっている現代を生きる若者が描かれた作品が受賞するという傾向もあります。

毎年のように実力を持った作家が成長していき、恒常的に作品を文芸誌に発表しているのです。また、受賞したらそのままということはなく、受賞後も編集者の方がきちんと指導を行ってくれるという点も特徴です。

純文学を読む方以外にはさほど知名度がないという点はありますが、あまり派手ということはなくても長く作家として続けていくことのできる賞ではないでしょうか。また、選考委員には豪華な作家の方が名を連ねていることもポイントです。

江國香織さんや奥泉光さん、角田光代さんそして高橋源一郎さんなどが審査をしてくれるということです。さらに、『すばる』には『小説すばる新人賞』という賞もありますが、こちらでは映画化もされた、朝井リョウさん作の『桐島、部活やめるってよ』も2009年の第22回で受賞しています。

10代の頃の息苦しい感じを、10代の作者が描くストーリーが素晴らしいという様な評価もある作品です。こちらの賞はジャンルは何でもOKであり、すばるの読者が若いことや女性の支持が高いことも特徴です。

よって、『桐島、部活やめるってよ』のような青春ものや歴史もの、ハードボイルド、ファンタジーなど色々な作品が応募されています。作品の質の高さも重要であるため、ハードルは決して低くはありませんが、読者がどういったものを好むのかと言った点や、今後そういった小説が流行るのかといった点にはアンテナを張っています。

なので、そういった点で突破している作品や作家であれば、今後も長く作家として活動をしていくことができるかもしれないということです。『すばる文学賞』や『小説すばる新人賞』を目標にしてみてはいかがでしょうか。