『文学界新人賞』は100回以上を数える歴史ある新人賞です。『文学界』という雑誌に掲載され、文藝春秋の主催となっています。応募内容は、新人の未発表原稿に限っていて、同人雑誌や他の新人賞に応募した作品は応募不可です。

400字詰め原稿用紙で70枚から15枚以下という枚数規定である点が特徴です。賞金は50万円であり、商品も贈呈されます。また、2016年の第121回からはWeb上からの応募も受け付けています。

当新人賞は、年に2回の締め切りだったものが第121回より年に1回のみの締め切りとなりましたが、それ以外には変化はありません。第121回では2作品が同時受賞となり、多くの受賞作を出すという傾向も続いています。

同時受賞になるのは、選考委員の方の評価も分かれるところであり、良い意味でどれも同じくらいのレベルであり選び難いということではなく、似たり寄ったりと言った感じであるためということも、理由であると考えられます。

それに、選考委員側も『まだ入賞させるには早いかもしれない』などという具合に文学観を持つことやきちんとした信念を持ち選考に当たるということもなくなってきていることが見受けられるのです。

こうしたことは他の新人賞にもあり得ることであり、同時受賞が起こる要因の1つにもなっていると言えるでしょう。第121回の場合は受賞作がそれぞれに読みやすさが伺えた点がポイントとなっています。

読む側にとって読みやすい上に理解しやすいというところは、大事になりますし、受賞を目指すとしたら、まずは正しく伝わりやすい日本語を素直に書くことが大きな要素を占めるのではないでしょうか。

内容に関すると、受賞作を読んだ方の感想ではある受賞作の場合はテーマに対する臨場感や切迫した感じが乏しかったものの、今後への意欲も垣間見えるものとなっているといった感じとしています。

正しい文を書くということと、文章に情熱を込めることは正反対のようですが、実は同時に行うことが可能となるものです。実際に、賞自体のレベルは段々と落ち込んできてしまっていることもありますし、規定枚数も150枚以下と幾分書きやすくなっています。

よって、受賞の機会が割とある賞ではないかと考えらえるでしょう。文藝春秋の主催であることもあり、候補作品の中で1作は『文学界』への掲載となる作品が含まれます。もし文学界新人賞を受賞することができれば、継続して文学界に掲載されていくことになります。

そういったことからも、芥川賞にとても近い賞であるとも言われるのです。もし芥川賞作家を目指すならば、文学界新人賞に応募しない手はないということです。もし作家として羽ばたいていきたいという思いがあるなら、応募してみることも一案の賞なのではないでしょうか。

ちなみに、文藝春秋の編集をされていた方は、新人賞で受賞するためのポイントとして、これ以上は書けない、もう全てを出し切ったと言えるくらいの作品を書くことが大事であるという様なこともおっしゃっています。

さらに、きちんと伏線の回収ができていないなど、読者に変に疑問を抱かせるような作品は、その世界に入り込みにくくなるとも話されています。