小説を書くなら、文章の表現においても拘りたいものです。文章表現には色々な書き方があるため、正しいと言える方法があるというわけではありません。要するに、最初に思い浮かんだ表現が正しいものではないかもしれないとも言えます。

文を多く書いていると、そういった状況になることもあります。最初に思い付いた表現であっても、考え直して修正することがあります。そしてまたやっぱり気に入らずに書き直すということを繰り替えることがあるでしょう。

この様にして文章が正確になっていき、さらにもがきながら最終的に残された何種類かの表現を比較したうえで用いる表現を決定するに至るのです。もし良い文章を書きたいなら、前に考えた表現と比較をすることが大変に重要だという点を覚えておきましょう。

こうした面は小説を書くにあたり困難なところであり面白味でもあると言えます。とは言え、これは最良の表現を選ぶだけの候補を挙げることができた場合に限ります。この候補たちをひねり出すことは、候補の中から選ぶことよりも難しいかもしれません。

あるシーンを書きたい場合に、最初に主人公視点で書いてみたとします。それであまり気にいらないこともあります。そうなると、今度は視点を変えるとか表現を変えてみると言った具合に書き直すことになるものです。

問題は、その際に次の案が浮かぶかどうかです。小説の書き手にとっては発想ができるかが大きなカギとなります。頭を柔軟にして発想力を高めようとしても、なかなか思い浮かばないということもあります。

アイデアが出ずに困っているという場合には、能動態と受動態の両方を使ってみるというのはいかがでしょうか。要するに、能動態は『私は~です』などといった文だとすると、受動態は『○○は私に~です』といった具合です。

話の主人公が変わるということです。主人公を入れ替えることで、文章の構図も変わってきます。普段は能動態や受動態を意識する場面もあまりないかと思いますが、小説を書いていくならば、そういった点を念頭に置きつつ書くことがカギです。

日本語を使って文章を書いていくと、先に進めなくなってしまった場合に何となく何か良い表現はないものかと探すというパターンになることもあります。こういったときに出てくるアイデアと言うと、『かなり』や『とても』などといった修飾語を変えるのか、それとも『笑う』と書いていたものを表現の仕方を変えて『微笑む』などにかえるという様な方法をとるのかというものがあります。

上記の方法では、文章の構図はそのままにしておき言い回しを変更すると言った方法になるでしょう。それにもっと変化を加えるならば、受動態を用いてみるのはいかがでしょうか。

例えば『私は~をした』という文であれば、文章そのものを変えて『○○で私は~した』というテイストなどにしてみるというのも一案です。これでは主人公が私ではなく『○○』になっているので、文章の視点自体も変わっているのです。