小説を執筆しようとすると、自分らしさを出したいと思うこともあるでしょう。そういったことから、ありがちな展開はなるべくやめておこうとするケースもあるかもしれません。ただ、ありがち展開が悪いとばかりも言えないのです。

それは、ありがちな展開がどうしてありがちだと言われるのかを考えるとわかってきます。新人賞には、その賞で受賞しやすい傾向があるとされています。また、ある小説家の方が『役には立たないだろうと思われる長所であっても、意外な場面で役立つこともある』という様な事をおっしゃっています。

こうした傾向の小説が受賞をする賞もあるということで、使っても駄目だろうかと思うようなシチュエーションであっても、もしかしたらその小説にマッチするかもしれないのではないでしょうか。

そしてある小説家の方は、ある新人賞について使われる傾向が決まっていることもあるけれど、それはそれで面白い展開になることもあり得るといった事もおっしゃっているのです。

ありがち展開に関しては、もし賞に入る傾向がわかっているのならば、その傾向と同じような作品ならばオリジナリティに欠けてしまうため、その傾向に傾かないように気を付けようと思うかもしれません。

それでも、『~という様なパターンが受けるならば自分も~の展開にしてみよう』と考えることも手段でしょう。それも新人賞などを狙うなら戦略の1つになるのです。要するに、定番の展開の中に自分らしさをミックスさせていくということです。

無理してパターンを避ける必要はありません。パターン化した傾向があるのは、一時だけでなく継続しているということになります。これは重要なポイントであり、傾向に従うことがメリットであるという見方もあるほどです。

もしかしたら、どんでん返しを狙うとして傾向と逆のパターンの作品にすることで、失敗してしまうこともないとは言い切れないのです。さらに、読者の方はお決まりパターンが意外と好きだということを知っておくことも大事です。

日本には長年続いているアニメなども色々とありますが、それが愛され続いているのは、お決まりのパターンの中に安心感があるからです。この安心感を求める読者も少なくないでしょう。

特に、読者の方にとって登場人物は身近に感じられるものです。その登場人物がいつもの通りでいることは、読む側にしてみれば大変に重要なのです。安定のお決まりパターンがあるキャラクターがある時突然違う性質になったら、読者の方も動揺するかもしれませんし、違和感を覚える可能性もあるという事も言えます。

この様に、ありがちな展開が悪いというわけではなく、そこには安心感も生まれますし、その中にオリジナルの要素を組み込むといった手段が適しているのではないでしょうか。どこかで読んだようなパターンだなと思っても、それを怖がらずにその傾向をベースとして作品作りをしていくことも一案だということなのです。